税理士試験は、一度合格したら生涯有効となる科目合格制を採用しているため、全5科目を1科目ずつ受験することが可能です。
これが、税理士試験の魅力であり、社会人受験生が多い理由でもあります。
しかし、科目ごとのレベルは非常に高く、中長期的な受験期間になるため中途半端な気持ちでは5科目合格どころか、受験を続けることさえ難しい試験です。
そんな税理士試験ですが、独学でも合格できるのでしょうか?
また、通学するのであれば高い授業料を払う通学のメリットは本当にあるのか?
簿記論を合格した私がその疑問にお答えしていこうと思います。
独学で合格は可能か?
「独学が可能か?」という問いに対して答えるなら、
「不可能ではないけど・・・」でしょうか…(~_~;)
その理由は税理士簿記論の試験内容は難易度もボリュームもかなり高いため、それなりに時間と労力がかかってしまうから。
1人で勉強してそこを乗り越えることが出来る人はいるにはいるのでしょうけど、全員がそれを成し遂げられるかは疑問に思います。
じゃあ、どれくらい難しいのか?
例えるなら日商簿記2級では比べ物になりませんといったレベル。
日商簿記1級と同じくらいとみなしている参考書やHPが多いです。
学校に通って、それなりに勉強しても、合格までに数年を要する受験生も少なくないので、簿記にかなりの自信があり、相当強い意志をお持ちの方以外は、独学はほぼ不可能なのでは…と感じています(;^ω^)
そもそも私の場合は、かなり意志が弱く、「独りで学ぶ」ということが苦手なので、独学は最初から選択肢にありませんでした。
短期間での合格を目指されるなら、学校に通われることを強くおすすめします。
では、「どうして短期間であれば通学が良いといえるのか?」
その理由は独学と通学のメリット・デメリットをきちんと把握することで見えてきます。
次から詳しくお伝えしていきますね♪
独学のメリット・デメリット
【メリット】
①かかる費用は、テキストや問題集代のみ
市販のテキストや問題集さえ買えば勉強できるので、高い授業料を払わなくて済みます。
②通学に時間がかからない
家で勉強するなら、通学時間は0です。
本来なら通学にかかる時間も、勉強時間として使えます。
大手の専門スクールに行こうとすると、通学に1時間以上かかる場合も少なくありません。
往復にかかる時間も「塵も積もれば…」で、かなりの時間になります。
③自分のペースで勉強できる
自分で立てた計画通りに、自分のペースで勉強できます。
ライバルの存在を気にして焦ったり不安になったりせず、精神的に落ち着いた状態で勉強に集中できます。
【デメリット】
①助けてくれる講師や仲間がいない
順調に勉強が進んでいる時は問題なくても、どうしてもわからない問題が出てきた時や、勉強に行き詰まった時、くじけそうになった時、先生や仲間がいないことは、とても孤独です。
孤独の中で、合格まで勉強を続けるモチベーションを維持するのは至難の業です。
②生きた情報が得られない
試験直前の最新の情報や、先輩受験生の経験談などが得られないのは不利になることがあります。
とにかくお金をかけずに、マイペースに勉強を進めたい…という方には良さそうです。
しかし、プレッシャーをかけてくれる存在(先生やライバル)がいないことは、逆に不利になる場合があります。
独学に関して言えばマイペースに勉強することは大切ですが、「井の中の蛙」にならないようにしなくてはいけません(^^;
学校に通うメリット・デメリット
【メリット】
①長年の実績から作られたオリジナルテキストがある
合格に必要な論点だけをまとめたテキストをもとに、徹底的に、かつ効率的に学習することができます。
②本試験までの完全なカリキュラムが組まれている
基礎を学ぶ時期、総合問題に取り組む時期、過去問や予想問題を解く時期、直前対策期など、スケジュールがしっかり組まれているので、そのレールに乗っていれば、本試験当日まで最短コースを迷うことなく進めます。
③強制的に勉強する時間を確保できる
イヤでも授業の日はやって来るので、一週間に最低でも数時間は勉強せざるを得ない時間が確実にあります。
そして、その授業までに、前回の復習をしておかなくては…と、常に意識的に勉強する時間を作ろうとします。
この意識がとても大切だと思います。
④いつでも質問・相談できる講師がいる
わからないことがあれば、その場で質問できるということは、効率的に勉強を進める上ではかなりありがたいですね。
先生が過去に見て来られた受験生の成功例や失敗例などは、生の情報として、とても参考になります。
また、中長期にわたる受験勉強期間、勉強に行き詰まったり、不安や焦りなどのメンタル面もフォローしてもらえます。
私が「もう辞めたい…」と思ったとき、何度も先生に助けていただきました(^^;
⑤切磋琢磨できる仲間がいる
学校に行くと、同じ目標に向かって頑張っている仲間がいます。
つまりはライバルなのですが、悩みを相談したり、励まし合える仲間がいるのは、長い受験期間の中では心強い存在です。
そして、試験結果の順位表が貼り出されたり、最高点や平均点の発表があるので、今、自分がどのあたりにいるのか把握でき、次回の目標設定や、モチベーションを維持する原動力にもなります。
⑥勉強しやすい環境がある
授業の後、教室に残って勉強できたり、空き教室を自習室として開放してくれるので、学校に行けば勉強する環境がそこにあります!
家にはいろんな誘惑があり、なかなか集中できないこともありますが、自習室には、同じ目標に向かって勉強しているライバルがいるので、やる気が出ます。
【デメリット】
①お金がかかる
授業料や通学の交通費など、やはり独学よりお金はかかります…。
家で勉強するなら服装を気にする必要もありませんが、学校に行くには、それなりのかっこうも必要なので、洋服代もかかりますね(笑)
②通学に時間がかかる
独学のデメリットと内容が重複しますが、通学に片道1時間以上かかるとすると、往復で2時間以上のロスになります。
しかしこれは、考え方によってはメリットかな!?外に出ることで気分転換にもなりますし、通学の電車の中でもできる勉強はありますよね(笑)
③自分のペースを崩される
ライバルを気にするあまり、焦りや不安が勉強の邪魔になることがあります。
しかしこれも、直前期でなければメリットにもなり得ます。
ライバルの存在を意識することで、モチベーションが上がるのであれば、メリットですね!
私は自制心が弱く、すぐ楽な方に流されてしまうため、強制的に勉強する環境を作るべく通学を選びました。
しかし、ライバルがカリカリ勉強しているのを見ると「もうダメかも…」と弱気になってしまうので、通学でのデメリットも大いにありました(苦笑)
しかし、励ましてくれる先生や仲間の存在は、それ以上に大きかったです(^^)
最後に
「独学」と「通学」、それぞれメリットとデメリットがあります。
しかし、総合的に見て、通学の最大のデメリットは「お金の問題」でしょうね…。
先生や仲間の励ましがある「通学」でも、合格するまで続ける精神力は、並大抵ではありません。
「独学」で…となると、強靭な精神力を持った人でない限り不可能でしょう。
独学で何年という時間を費やすのであれば、学校に通って効率的に勉強し、一気に合格を目指した方が、逆に時間とお金の節約になるかも知れません。
私は時間がなによりも大切だと思っています。
税理士試験に合格するのがゴールではなく、はやく一人前の税理士になって、困っている人の役に立てるようになる事が目的のはず。
その為には早く合格して実務経験を積む必要があるわけです。
モタモタしている時間は無いワケで、多少のお金を掛けてでも独学よりは合格する可能性の高い「通学」を私はおすすめします!
最後は個人的な意見になりましたが、あなたの参考になれば幸いです(^^)
頑張ってください。